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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻13号

1998年12月発行

文献概要

今月の主題 胃癌EMR後の遺残再発―診断と治療 主題症例

Ⅱc+Ⅱa主病巣近傍の多発微小病変からのEMR後遺残再発の1例

著者: 横田欽一1 渡二郎1 大坪力1 小松英樹1 奥山修司1 柳川伸幸1 田邊裕貴1 佐川美穂1 斉藤裕輔1 高後裕1

所属機関: 1旭川医科大学第3内科

ページ範囲:P.1755 - P.1759

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要旨 患者は59歳,男性.心窩部不快感,嘔気のため胃内視鏡検査を受け,胃角部大彎にⅡc病変を指摘された.分化型Ⅱc,深達度mと診断しstrip biopsyを施行,32×29mmの粘膜が切除された.19×9mmのⅡc+Ⅱa型癌,tub1,m,ly0,v0,切除断端陰性であり,一括完全切除と判定した.切除後3年5か月目に再発し,マイクロ波凝固治療を施行した.再治療後1年9か月まで局所治癒している.切除標本の見直しでは,主病変と離れて存在する微小癌により切除断端陽性となっていた.不完全切除例の5年非再発率は,追加治療なしでは57%,凝固治療追加例で96%であった.遺残再発の原因としてはまれな症例を報告し,合わせて,遺残再発時,および追加治療としての,マイクロ波凝固の有用性について述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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