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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻13号

1998年12月発行

文献概要

症例

胃の悪性線維性組織球腫(malignant fibrous histiocytoma;MFH)の1例

著者: 髙木國夫1 岩切啓二1 松永仁1 神保勝一2 山田健人3

所属機関: 1林外科病院 2神保消化器内科医院 3慶應応義塾大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.1769 - P.1775

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要旨 患者は64歳,女性.主訴は高度貧血,精査により胃体部に粘膜下腫瘍(SMT)を認め,中央部に粘膜欠損を起こした舌状隆起があり,大きさは4×4.5×7.5cmで,組織診断はmalignant fibrous histiocytoma(MFH)〔深達度ssβ,n(-)〕であった.胃原発のMFHは文献上6例にみられ,SMT,隆起性病変,潰瘍性病変を示したが,本例ではinflammatory fibroid polypに特徴的なSMTに舌状隆起を伴う陰茎亀頭様所見が認められた.MFHには腫瘍性出血による貧血例が多く,腫瘍性出血の病理学的形態を本例で検討した.MFHの報告例は予後不良であったが,本例は胃内に限局し良好な予後が期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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