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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻13号

1998年12月発行

文献概要

症例

逆行性回腸造影が有用であった回腸末端部悪性リンパ腫の1例

著者: 宇野良治1 棟方昭博1 大里昭平1 対馬健一1 福田真作1 石黒彩子1 吉村徹郎1 渡辺智子1 森田隆幸2 中村文彦2 伊藤卓2

所属機関: 1弘前大学医学部第1内科 2弘前大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1777 - P.1782

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要旨 患者は68歳,女性.主訴は発熱.注腸X線検査で盲腸,回盲弁の圧排像がみられたが回腸は造影されなかった.大腸内視鏡検査で回盲弁から口側回腸15cmまで連続した白色の不整な凹凸を有す腫瘍が全周性にみられた.スコープの通過は可能で内視鏡検査に引き続き逆行性回腸造影を施行した.拡張した管腔の中央に隆起を有し,全体として15cmの巨大な腫瘍で,形態から悪性リンパ腫が疑われた.内視鏡下の生検で悪性リンパ腫と診断され回盲部切除が行われた.切除された病変の大きさ,肉眼型は術前の逆行性回腸造影と一致しており本法の有用性が示唆された.病理組織学的にびまん性大細胞型(B細胞由来)の悪性リンパ腫で大きさを考慮し化学療法が行われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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