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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻13号

1998年12月発行

文献概要

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編集後記

著者: 浜田勉

所属機関:

ページ範囲:P.1790 - P.1790

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 EMR後の一定期間おいた経過観察により遺残病変が診断されることが少なくない実態が各論文で記述されている.この遺残病変に対する早期の診断の方法とその治療方針をどうするかが本号のねらいであった.診断面では潰瘍瘢痕との所見の差は困難で,やはり定期的な頻回の観察と生検が必要のようである,芳野は短期間に増大した例を呈示し経過観察の重要性を提起し,その期間を井田は切除後1年間が重要と指摘し,光永は胃体部の小彎から後壁部が要注意としている.長南は瘢痕部でのsm癌もEUSを用いて診断を試みているが,遺残病変はおおむねm癌としてよいという成績が示された.これが引き続き行われる治療の根底になるだろう.

 遺残再発時の治療において再度EMRをするのが理想的だが,多くの場合,粘膜下の線維化のためEMRは困難であり,レーザー法やマイクロ波凝固法を行う施設が多い.嶋尾や三坂の成績は極めて良好であるが,外科的切除可能例に限ればどうであるのか,その立場でもっと鮮明に治療方針を示していただきたかった。その点で,何度も内視鏡治療を繰り返した後に外科切除しsm浸潤を来していた高木の症例は,遺残病変に対して内視鏡治療をどこまでやるのか,外科手術へのタイミングをいつにするかを考えさせられるよい教訓例ではないだろうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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