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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻2号

1998年02月発行

文献概要

今月の主題 消化管病変の三次元画像診断―現状と展望 序説

消化管病変の三次元画像診断―現状と展望

著者: 芳野純治1

所属機関: 1藤田保健衛生大学第二病院内科

ページ範囲:P.135 - P.136

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 本誌が創刊されたころの消化管の検査法は主としてX線検査と内視鏡検査であった.それらの所見と切除標本や病理組織像を対比しながら,診断学が生まれ育まれてきた.創刊から33年を経る間に,腹部超音波検査,CT,超音波内視鏡検査,MRI,computed tomography(CT)などの新しい検査方法が考案され,これまでの診断学を補完する役割を果たしている.また,内視鏡自体も生検機能の付与,細径内視鏡(panendoscopy),電子内視鏡などが登場し,その間に大きく変わってきている.これらの展開には科学技術の発展が大きく寄与してきた.

 三次元表示の歴史はレントゲンがX線を発見した1895年の直後から試みられてきたとされる.その方法は2つあり,1つは光学的に立体的に表示する方法(真の三次元表示)であり,もう一つはコンピュータにより対象の輪郭線などを抽出して立体的に表示する方法(疑似三次元表示)がある1).前者の1つにホログラムがあり,後者はヘリカルCT,MRIなどに応用されコンピュータにより処理されて画像が得られる方法で,最近特に大きく進歩し,大いに行われてきている.このような科学技術の進歩の1つにコンピュータの性能が著しく向上したことが挙げられる。ところで,コンピュータを用いた解析では,本誌18巻9号(1983年)で丸山雅一らがオフィスコンピュータを用いて胃癌のX線診断の診断過程を分析している.コンピュータが最近ほど身近でなかったころに新しい時代の到来を感じた.現在では,性能が更に向上し広く普及する状況が生まれ大いに用いられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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