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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻2号

1998年02月発行

文献概要

今月の主題 消化管病変の三次元画像診断―現状と展望 主題症例

ヘリカルCTによる三次元表示が病変の把握に有用であったⅡa型早期胃癌の1例

著者: 平山眞章1 深浦純生1 漆崎洋一1 近江直仁1 平野雄士2 松谷宏宣2 入山瑞郎2 佐々木絵美2 村松博士3 井山諭3 木田雅也3 加藤淳二3 新津洋司郎3

所属機関: 1小樽掖済会病院消化器科 2小樽掖済会病院放射線科 3札幌医科大学第4内科

ページ範囲:P.197 - P.201

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要旨 患者は74歳,女性.心窩部不快感があり,近医での内視鏡検査で胃体上部小彎後壁寄りに不整形の隆起性病変を指摘され当科に紹介された.胃X線二重造影第2斜位像では丈の低い辺縁不整なはじき像として描出されたが,正面像では脊椎と重なるため詳細な観察が困難であった.胃内視鏡でⅡa集簇と診断,生検組織では高分化型腺癌であった.本例にヘリカルCTを用いて胃の三次元表示を試みた.この三次元表示は観察角度を自由に設定できるため,脊椎や周辺のガスが除かれ病変部の把握に有用であった.更に三次元上の腫瘍径も測定可能であった.本症例のような比較的凹凸の少ない病変では,axial画像で病変が把握できなくても三次元表示を試みることにより,病変の詳細を確認することが可能であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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