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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻2号

1998年02月発行

文献概要

今月の主題 消化管病変の三次元画像診断―現状と展望 主題症例

化学療法の治療効果判定に三次元超音波内視鏡検査が有用であった2型胃癌の1例

著者: 西尾浩志1 中澤三郎1 芳野純治1 乾和郎1 印牧直人1 若林貴夫1 奥嶋一武1 小林隆1 渡辺真也1 浅井尚美1

所属機関: 1藤田保健衛生大学第二教育病院内科

ページ範囲:P.213 - P.216

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要旨 患者は80歳,女性.食思不振,体重減少を認め,当院を紹介された.胃内視鏡検査で,体上部に2型胃癌が認められた.患者と家族との協議の結果,化学療法を選択されたため,CDDP,5-FU,LVによる治療を行った.治療2か月後の胃X線検査では,胃癌は73.8%(47×46mm→27×21mm)の縮小を認め,治療効果判定はaPRと判定した.また,三次元超音波内視鏡検査により病変を立体的に捉え,体積計測による治療効果判定を行った.治療前では,病変は胃の長軸方向で35mm,最大断面積309mm2,体積11.6cm3であった.治療2か月後では長軸方向で23mm,最大断面積50mm2,体積3.5cm3であり,体積における縮小率は69.5%であった.三次元超音波内視鏡検査により腫瘍の計測は可能であり,客観的な治療効果判定に有用な検査法であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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