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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻2号

1998年02月発行

文献概要

症例

大きさ8mmの大腸mp癌の1例

著者: 高木國夫1 岩切啓二1 松永仁1 神保勝一2 千葉俊哉3

所属機関: 1林外科病院 2神保消化器内科医院 3昭和大学豊洲病院消化器科

ページ範囲:P.245 - P.250

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要旨 患者は71歳,男性.検診で発見され,X線所見では,下行部結腸に類円形の隆起性病変を示し,正面像で病変に向かう粘膜ひだの集中および側面像で角状変形を認めた.内視鏡所見で中心陥凹のある盤状隆起を認めた.切除標本の肉眼所見は,大きさ8×8mm,表面はびらん状で,溝状の陥凹を呈する盤状隆起性病変で,組織像は高分化腺癌,癌の主座はsmにあって,一部固有筋層に及んでいた.10mm未満の大腸癌で,sm癌とmp癌の鑑別診断には,本例を含めた7例の報告の検討から,X線所見では,側面像の変形と正面像の粘膜ひだの集中,内視鏡的には,粘膜ひだの集中とともに,生検鉗子による病変の可動性を検討することが必要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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