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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻3号

1998年02月発行

特集 消化管悪性リンパ腫1998

主題 Ⅰ.総論

胃悪性リンパ腫の病理診断―RLH,BLH,ALH,MALTリンパ腫の関係

著者: 加藤洋1 山本智理子1 柳澤昭夫1 高野康雄2

所属機関: 1(財)癌研究会癌研究所病理部 2北里大学医学部病理

ページ範囲:P.281 - P.288

文献概要

要旨 “RLH”と呼ばれるリンパ濾胞過形成を伴う小型リンパ球増生状態は単一の疾患ではない.筆者らは1992年,これを,粘膜内におけるTリンパ球とBリンパ球の分布状態から“BLH”(benign lymphoid hyperplasia)と“ALH”(atypical lymphoid hyperplasia)に亜分類できることを示した.後者はBリンパ球のmonotonousな増殖が特徴的であり,今日のMALTリンパ腫(low-grade)に含まれる病態である.しかし,ALH=MALTリンパ腫ではない.すなわちMALTリンパ腫の側からみれば,従来のRLH的なものと従来からLSG分類でdiffuse,medium-sized cell typeとされてきたものがある.パラフィンブロックからのサンプルを用いての,免疫グロブリン(IgH)遺伝子再構成の検索では,monoclonaiityはBLHにはなく(0/10),ALHの2例(2/12)に認められた.筆者らのALHは全例(12例)がリンパ節転移がなく予後良好である.昨今H.pylori除菌療法によるMALTリンパ腫治療が注目されているが,本療法が指示されるとすればBLHを含めて従来のRLH的なものに限られるべきであろう.ALHあるいはMALTリンパ腫の生検診断の要領についても述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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