icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻3号

1998年02月発行

文献概要

特集 消化管悪性リンパ腫1998 主題 Ⅱ.診断

大腸悪性B細胞性リンパ腫の臨床病理学的特徴―胃悪性B細胞リンパ腫との比較を含む

著者: 竹下盛重1 岩下明徳2 八尾隆史3 渕上忠彦4 山本一郎5 栗原憲二6

所属機関: 1国立病院九州医療センター臨床・研究検査科 2福岡大学筑紫病院病理 3九州大学医学部第2病理 4松山赤十字病院消化器科 5松山赤十字病院病理 6市立宇和島病院病理

ページ範囲:P.405 - P.414

文献購入ページに移動
要旨 原発性大腸B細胞性リンパ腫24例について,臨床病理学的立場から検討した.24例中22例がIsaacsonの分類によるMALT型リンパ腫であった.22例の平均年齢は68歳で,男女比は1:1.14例が低悪性度群で,8例が高悪性度群であった.前者群のうち9例は直腸(7例が女性),下行結腸に,後者群のうち5例は盲腸,上行結腸に発生しており,発生部位による悪性度の差がうかがえた.肉眼像では,低悪性度群の11例が最大腫瘍径7.5cm以下で,腫瘤形成型であり,高悪性度群は7例が7.5cm以上で,潰瘍形成型であった.組織像では,sm例は2例,ほか20例は全層浸潤性であった.胃MALTリンパ腫と比較すると,表層拡大型がなく,上皮内リンパ球浸潤は4例,高度粘膜浸潤は7例であり,大腸MALT型リンパ腫において粘膜下層以下での浸潤,増殖が目立った.腫瘍細胞は,全例CD5,bcl-1は陰性,両群の過半数はbcl-2が陽性であった.本腫瘍の5年生存率は低悪性度群で100%,高悪性度群で28%と前者に有意(p<0.05)に良好であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら