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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻3号

1998年02月発行

文献概要

特集 消化管悪性リンパ腫1998 ノート 基礎編

生検標本におけるlymphoepithelial lesionの診断的意義

著者: 太田玉紀1 渡辺英伸2

所属機関: 1新潟県立新発田病院内科 2新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.474 - P.475

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 lymphoepithelial lesion(LEL)は,唾液腺の病変1)で初めて用いられた所見である.これは,Isaacsonら2)によって,mucosa-associated lymphoid tissue(MALT)リンパ腫の診断に重要な組織所見であると主張され,消化管,肺,甲状腺などのMALTリンパ腫にも認められる.

 LEL3)とは,腫瘍性の小型~中型リンパ球が上皮細胞間に集簇性に浸潤している組織像である(Fig.1).このBリンパ球は,円形~卵円形の核や核周に切れ込みを認める核(cleaved nucleus)と,非腫瘍性成熟リンパ球に比べて広く明るい細胞質を有し,細胞異型度は低い.LELは,低異型度のMALTリンパ腫にのみ認められる所見で,大型リンパ球から成る高異型度のリンパ腫ではみられない.腫瘍性Bリンパ球の浸潤が高度になると,上皮細胞の変性や腺管構造の破壊がみられ,やがてLELは消失する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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