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特集 消化管悪性リンパ腫1998 ノート 基礎編
低異型度と高異型度MALTリンパ腫の組織学的鑑別
著者: 八尾隆史1 中村昌太郎2 恒吉正澄1
所属機関: 1九州大学医学部第2病理 2九州大学医学部第2内科
ページ範囲:P.479 - P.480
文献購入ページに移動Isaacsonらが1983年から主張してきた胃MALTリンパ腫の概念は現在広く受け入れられてきた.その後,MALTリンパ腫とHelicobacter pylori(以下H. pylori)の関連が提唱され,最近の報告では低異型度MALTリンパ腫はH. pylori除菌療法で消失したとの報告も相次ぎ,その診断基準や治療法選択において多少混乱を生じてきている.また,低異型度MALTリンパ腫には高異型度リンパ腫が併存することも知られているが,それらにおいてはH. pylori除菌療法は無効のようであり,予後も不良である.したがって,低異型度MALTリンパ腫と高異型度MALTリンパ腫を鑑別することが臨床的には重要となってくる.
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