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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻3号

1998年02月発行

文献概要

特集 消化管悪性リンパ腫1998 ノート 臨床編

―Helicobacter pylori除菌療法をめぐるcontroversy―Helicobacter pylori陰性例に対する除菌療法の意義

著者: 中村常哉1 鈴木隆史1 松浦昭1 大橋計彦1 谷田部恭2 中村栄男2

所属機関: 1愛知県がんセンター消化器内科 2愛知県がんセンター臨床検査部病理

ページ範囲:P.493 - P.495

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胃MALTリンパ腫とH. pylori

 胃MALTリンパ腫におけるH. pyloriの存在頻度は92~98%とされている1)2).Wotherspoonら3)が,H. pyloriを除菌することにより胃MALTリンパ腫が退縮することを初めて報告して以来,胃MALTリンパ腫に対するH. pylori除菌療法の意義に関してはいくつかの報告4)があり,筆者らも既に報告している5).しかし,H. pylori陰性の胃ALTリンパ腫の特徴およびその取り扱いに関しては詳細な検討はなされていない.筆者らは1993年10月より胃MALTリンパ腫に対するH. pylori除菌療法を開始してから1997年8月現在までに23例の胃MALTリンパ腫を経験したが,このうち3例がH. pylori陰性例であり,更にこのうち2例が高悪性度病変を有する症例であった.このうち1例で除菌療法を実施し著明改善を認めたので呈示する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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