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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻4号

1998年03月発行

文献概要

今月の主題 胃癌の診断にX線検査は不要か 主題

胃癌の診断にX線検査は不要か―必須とする立場から:早期胃癌の拾い上げ診断(外来診療から)

著者: 菊池陽介1 渕上忠彦1 小林広幸1 堺勇二1 竹村聡1 永江隆1 長村俊志1 石川伸久1 中島穣1 吉永英希1 宮本竜一1

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科

ページ範囲:P.563 - P.571

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要旨 当院において診断過程が明らかであった早期胃癌898病変のうち紹介例,集検例を除いた430病変を対象としてルーチンのX線と内視鏡検査の拾い上げ診断能を比較した.見逃し率はX線検査19%(53/284),内視鏡検査12%(18/146)で有意差はなかったが,個々の病変性状には差が認められた.単発病変はX線検査による見逃し率が高かったが,多発病変は内視鏡検査の見逃し率が高かった.微小胃癌では内視鏡の拾い上げ率が高かったが,10mm以下の病変では差を認めなかった.病変部位ではX線検査は胃体上部と胃角部,内視鏡検査では体中部の見逃し率が有意に高かった.未分化型癌の見逃しは内視鏡検査で有意に少なかった.深達度,肉眼型による差はなかった.外来診療における初回ルーチン検査はどちらの検査法でもよく,むしろ各々の検査法の長所と短所を知り,検査技術,読影力を高める努力をすべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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