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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻4号

1998年03月発行

文献概要

今月の主題 胃癌の診断にX線検査は不要か 主題

胃癌の診断にX線検査は不要か―必須としない立場から:拾い上げ診断

著者: 大井田正人1 安達献2 渡辺摩也1 木田芳樹1 今泉弘1 田辺聡1 木田光広1 小泉和三郎1 三橋利温1 西元寺克禮1

所属機関: 1北里大学医学部内科 2国立相模原病院内科

ページ範囲:P.591 - P.597

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要旨 当院で初めて早期胃癌と診断された症例を対象として,その拾い上げ診断能を検討した.対象とした早期胃癌は,切除例では組織学的に発見されたもの,内視鏡的切除例では治療後1年以内に発見された新たな病変も加え補正した.X線先行例は95症例108病変で全例切除を行っていた.内視鏡先行例は209症例228病変で,そのうち60症例61病変(26.8%)は内視鏡的切除例であった.拾い上げ診断率はX線58.3%,内視鏡96.1%であったが,内視鏡的切除例には3症例3病変の早期胃癌が新たに発見された.このため,補正した診断率は94.8%であった.肉眼型,大きさ,部位,病変数などについても検討したが,内視鏡検査のほうがX線検査に比べ診断率は高かった.その要因として,内視鏡検査のほうが診断技術の習得が容易で,研修医の指導や再観察がX線検査に比べ簡便でかつ検査の場で行えるためと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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