icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻4号

1998年03月発行

文献概要

今月の主題 胃癌の診断にX線検査は不要か 主題

胃癌の診断にX線検査は不要か―必須としない立場から:拾い上げ診断

著者: 西沢護1

所属機関: 1東京都がん検診センター

ページ範囲:P.599 - P.608

文献購入ページに移動
要旨 胃癌の拾い上げ診断にX線検査は必ずしも必要としない.しかし,次の2つの立場から不必要の意義は異なる.①愁訴があって外来を訪れる場合あるいは愁訴がなくても癌検診を希望して外来を訪れる場合.②集団検診,すなわち健康人に癌検診を行いX線あるいは内視鏡のいずれかをスクリーニングに用いたら,より多くの救命しうる癌が発見されるかを比較する場合,このときには受診者の検査に対する受け入れの程度により異なる.33年間の固定集団(職域,施設)の逐年検診の成績から,(a)X線のみによる救命率76%,(b)細径パンエンドスコープをバックにしたX線による逐年検診の救命率86%,(c)隔年細径パンエンドスコープ検診による救命率93%の成績から,細径パンエンドスコープが癌の拾い上げ診断でX線に勝ると位置づけたが,②の集団検診ではスクリーニングにおける両検査のcomplianceの違いにより,集検人口の拡大が異なってくるため,いずれがスクリーニングに適しているかを一概に決めることは難しい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?