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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻4号

1998年03月発行

文献概要

今月の主題 胃癌の診断にX線検査は不要か 主題

胃癌の診断にX線検査は不要か―必須としない立場から:特に微小胃癌の内視鏡診断能に関して

著者: 高橋寛1 桐原和貴1 山田雅哉1 半田宏一1 桜井宏一1 藤田力也1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院消化器内科

ページ範囲:P.609 - P.616

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要旨 内視鏡で発見された微小胃癌46例につき,通常内視鏡所見を中心に検討した.Ⅱa型微小胃癌は,ほぼ周囲の粘膜と同じ色調を呈するもの,表面が発赤して,過形成性ポリープと類似した病変,周囲粘膜より褪色した腺腫に類似した所見を呈する病変がみられた.Ⅱa型微小胃癌は腺腫様形態を呈する症例が多く,Ⅱb型微小胃癌では,印環細胞癌は“褪色斑”として,高分化型腺癌例は“色むらのある発赤斑”として認識された.Ⅱc型微小胃癌は表層型のうち質的診断が困難であり,その内視鏡所見は“隆起に偏在するびらん”,“星芒状発赤”,“色むらのある発赤”として認識された.比較的,陥凹が粘膜の深部にまで及んでいる症例では,悪性所見が認められる症例が多かった.微小胃癌の診断には,粘膜の微細な変化を読み取ることが肝要であると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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