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今月の主題 胃癌の診断にX線検査は不要か 主題
胃癌の診断にX線検査は不要か―私はこう考える
著者: 川口実1
所属機関: 1東京医科大学第4内科
ページ範囲:P.654 - P.654
文献購入ページに移動 胃癌診断にX線検査は必要と考える.その理由を,拾い上げ診断と精密検査に分けて述べさせていただく.
拾い上げ診断:最近は胃癌の拾い上げ診断において,最初に内視鏡検査を行い,胃癌の存在を診断したのち胃X線検査を行うことが多い傾向にある.われわれの施設においても,通常の外来患者の場合には同様の傾向である.また,他の医療機関からの紹介患者の場合にも,最初に内視鏡検査を行い,胃癌の存在をまず確認することが多い.他の医療機関からの紹介の場合には,病変の存在が既に判明しているので問題は少ないが,外来患者の場合が問題である.すなわち,内視鏡検査で癌が存在しないと診断したとき,X線検査は不要かどうかが問題となる.この場合の内視鏡検査は直視型スコープを使用することが大部分であるから,直視型スコープに盲点があることを考えると,胃X線検査の併用が望ましい.しかし,少なくとも直視型スコープの盲点を知っている内視鏡医なら,大きな癌巣の見落としはないと思われる.
拾い上げ診断:最近は胃癌の拾い上げ診断において,最初に内視鏡検査を行い,胃癌の存在を診断したのち胃X線検査を行うことが多い傾向にある.われわれの施設においても,通常の外来患者の場合には同様の傾向である.また,他の医療機関からの紹介患者の場合にも,最初に内視鏡検査を行い,胃癌の存在をまず確認することが多い.他の医療機関からの紹介の場合には,病変の存在が既に判明しているので問題は少ないが,外来患者の場合が問題である.すなわち,内視鏡検査で癌が存在しないと診断したとき,X線検査は不要かどうかが問題となる.この場合の内視鏡検査は直視型スコープを使用することが大部分であるから,直視型スコープに盲点があることを考えると,胃X線検査の併用が望ましい.しかし,少なくとも直視型スコープの盲点を知っている内視鏡医なら,大きな癌巣の見落としはないと思われる.
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