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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻4号

1998年03月発行

文献概要

今月の主題 胃癌の診断にX線検査は不要か 主題

胃癌の診断にX線検査は不要か―私はこう考える

著者: 杉野吉則1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部放射線診断科

ページ範囲:P.659 - P.659

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 わが国の消化管診断学は,X線と内視鏡が両輪となり切磋琢磨することによって現在のような進歩を成し遂げたが,近年,内視鏡が優位となり,内視鏡医の中にはX線は不要であるという発言もあり,X線に携わる者にとっては寂しい限りである.その原因として内視鏡の装置や技術,診断学の進歩が挙げられるが,X線の側にもいくつかの問題点がある.熊倉賢二は昭和50年代からこの点を指摘し,X線装置の開発,造影剤や前処置法の検討,検査法の改良に取り組んできたが,既に消化管X線検査は一般に広く浸透し,鮮明な画像が撮れない装置やコントラストがつかない造影剤による画一的な検査が蔓延してしまっており,X線の質が向上しないうちに内視鏡が急速に優位となってしまったが,このままX線が不要になるとは考え難い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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