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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻5号

1998年04月発行

文献概要

今月の主題 大腸疾患の診断に注腸X線検査は必要か 主題

大腸癌の診断に注腸X線検査は必要か―原則必要とする立場から:大腸の上皮性腫瘍における注腸X線検査の有用性

著者: 牛尾恭輔1 石川勉2 宮川国久3 飯沼元3

所属機関: 1国立病院九州がんセンター 2栃木県がんセンター画像診断部 3国立がんセンター中央病院放射線診断部

ページ範囲:P.713 - P.720

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要旨 大腸の上皮性腫瘍は,粘膜上皮から発生するため,大腸の内腔すなわち粘膜面を描き出す注腸X線検査と内視鏡検査は必須である.このうち前者の利点として,以下のことが挙げられる.①腸管外の変化を把握しやすい,②強い狭窄を伴った病変でも,口側の情報が得られる,③病変の連続性と多発性の把握,病変間の距離などが正確に把握できる,④癌では正面像のみならず腸管の伸展性と側面像における変形の程度から,深達度診断を行いやすい,⑤病変の部位の同定が,客観性をもって厳格に行うことができる,⑥全体像の把握のみならず病変の大きさが計測できるので,病変の自然史の研究に活用しうる.一方,最近問題となっている大腸のⅡc型早期癌のX線像について,胃との比較診断学の立場から述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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