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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻5号

1998年04月発行

文献概要

今月の主題 大腸疾患の診断に注腸X線検査は必要か 主題

大腸癌の診断に注腸X線検査は必要か―原則不要とする立場から:大腸癌の拾い上げ診断における注腸X線検査の診断能の検討

著者: 河南智晴1 柏木亮一2 坂根芳夫2 西谷和夫2 宮本克明2 羽渕正樹2 田村葉子2 田畑文平2 千葉勉1

所属機関: 1京都大学医学部附属病院光学医療診療部 2田畑胃腸病院

ページ範囲:P.729 - P.735

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要旨 大腸癌の拾い上げ診断における内視鏡検査と注腸造影検査の診断能の比較を試みた.注腸造影検査は,全大腸内視鏡検査と比較すると,5mm以上の病変では90%程度の感度であった.しかし,注腸造影検査では,右側結腸の平坦な病変では10mm以上のsm癌でも拾い上げ診断能は不十分と考えられた.また,5mm以下の小病変では注腸造影検査による拾い上げ診断は,感度,特異度ともに低く,スクリーニング検査として成り立たない.以上から,拾い上げ診断には原則として全大腸内視鏡検査が必要と思われ,注腸造影検査を用いる場合には,検査の盲点を熟知し,よく注意を払って撮影,読影を行う必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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