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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻5号

1998年04月発行

文献概要

今月の主題 大腸疾患の診断に注腸X線検査は必要か 主題

大腸癌の診断に注腸X線検査は必要か―原則不要とする立場から:注腸X線検査の早期大腸癌に対する存在診断能と深達度診断能(内視鏡的治療の適応病変を中心に)

著者: 松永厚生1 藤田直孝1 野村美樹子1 菊地達也1 菅田英明1 結城豊彦1 佐藤匡1 石田一彦1 野田裕1 小林剛1 木村克巳1 八子章生1 内海潔1 吉田雅義1 境吉孝1 妹尾重晴1

所属機関: 1仙台市医療センター消化器内科

ページ範囲:P.737 - P.744

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要旨 注腸X線検査の早期大腸癌に対する存在診断能,深達度診断能を検討した.(1)X線検査が先行し,次いで全大腸内視鏡検査が施行された322病変〔Ⅰ型:247(m+sm1236,sm2+sm311),Ⅱ型:75(m+sm165,sm2+sm310)〕に対するX線の存在診断能は,Ⅰ型91%,Ⅱa66%,Ⅱa+Ⅱc,Ⅱc,Ⅱc+Ⅱa29%であった.一方,表面型234病変の精密X線の描出能は85%で,Ⅱa82%,Ⅱa+Ⅱc98%,Ⅱc,Ⅱc+Ⅱa79%であった.ルーチン検査では描出能は低く,表面型大腸癌のスクリーニング法としては不十分である.(2)X線と内視鏡・細径超音波プローブ併用例での深達度診断能は90~92%と同等であり,内視鏡で存在診断,深達度診断された後の精密X線の意義について見直しの時期に来ていると考えられる.今後,早期大腸癌の存在診断能向上のためには内視鏡診断の積極的な導入とスクリーニングX線の改良が課題と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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