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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻5号

1998年04月発行

今月の主題 大腸疾患の診断に注腸X線検査は必要か

主題

大腸の炎症性疾患の診断に注腸X線検査は必要か―内視鏡を重視する立場から

著者: 正木忠彦1 鈴木公孝2 渡辺聡明1 篠崎大1 横山正1 松田圭二1 武藤徹一郎1

所属機関: 1東京大学医学部腫瘍外科 2大蔵省印刷局病院外科

ページ範囲:P.765 - P.771

文献概要

要旨 潰瘍性大腸炎長期経過例に合併してくる癌・dysplasia病変の存在診断について,内視鏡検査と注腸検査の比較を行った.(1)有症状群における検討:炎症症状を有する症例では,バリウムの付着が不良で病変の描出が困難であった.狭窄を有する症例では内視鏡診断が困難で,生検組織の採取も不十分であるのに比べ,注腸検査では狭窄部の不規則性・非対称性の所見から悪性の診断が可能であった.(2)サーベイランス群における検討:潰瘍の目立つ症例やDALMと称される隆起性病変の検出においては,両検査の診断能はほぼ同等であった.極めて丈の低い隆起から成るdysplasiaの診断においては,内視鏡検査のほうが優れていた.以上から,癌・dysplasiaをより早期の段階で発見するためには,内視鏡検査が注腸検査よりも優れていると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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