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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻5号

1998年04月発行

今月の主題 大腸疾患の診断に注腸X線検査は必要か

主題

大腸疾患の診断に注腸X線検査は必要か―私はこう考える

著者: 横山善文1

所属機関: 1名古屋市立大学第1内科

ページ範囲:P.782 - P.782

文献概要

1.はじめに

 X線および内視鏡検査に20数年携わってきた筆者には,“注腸X線検査は必要か”という問題が提起されること自体理解しかねる.内視鏡検査だけで,あるいは内視鏡検査中心に育ってきた人たちには大腸疾患の診断・治療に生検,内視鏡的粘膜切除術という強力な武器を持つ内視鏡だけでほとんど事足れりと考えている節がある.特に,便ヘモグロビン検査が導入されて以降は若い医師に限らず,ある程度経験を積んだ医師でも,注腸検査で病変が見つかったならば結局は内視鏡をするのであるから,最初から内視鏡検査をしたほうが結果が早くわかり,患者さんの負担も少なくて済むといった傾向にある.確かに,ルーチンの注腸X線検査で指摘できなかった微小ポリープや表面型腫瘍の発見には内視鏡が優っていることは筆者も否定しない.しかし,病変の存在が判明している精密X線検査では必ずその病変を描出できると筆者は確信している.描出されない原因の多くは,前処置に工夫が足りないこと,テクニック不足によることと考える.ルーチン注腸X線検査だけで済ましている限り,絶対にテクニックは上達しない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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