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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻6号

1998年05月発行

文献概要

今月の主題 鋸歯状腺腫(serrated adenoma)とその周辺 主題

大腸の鋸歯状腺腫の診断基準とその問題

著者: 下田忠和1 阪真1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院臨床検査部病理

ページ範囲:P.831 - P.834

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要旨 鋸歯状腺管形態を示す大腸のポリープ病変はwide spectrumで,過形成性ポリープ,鋸歯状腺腫まで多彩である.この中で鋸歯状腺腫は腫瘍性の鋸歯状腺管から構成されるものに限定すべきである.過形成性ポリープは5mm以下に多くみられるが,これが10mm前後まで大きくなると腺管形態は鋸歯状のみならず,腺管外方へのbudding形成もみられる.また,このような状態ではgoblet cellの減少ならびに細胞増殖活性の増加,腺管の幼若化などがみられる.このような過形成性ポリープと鋸歯状腺腫が混同されている可能性があることを指摘した.また鋸歯状腺腫はわれわれの経験ではほとんどが10mm以上と大きい病変で5mm前後の小病変がないことからも過形成性ポリープが増大する過程でその一部に腫瘍化を来したものと解釈すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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