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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻6号

1998年05月発行

文献概要

今月の主題 鋸歯状腺腫(serrated adenoma)とその周辺 主題

鋸歯状腺管の組織学的検討ならびに過形成ポリープとserrated adenomaの鑑別

著者: 中村眞一1 佐藤一1 菅井有1

所属機関: 1岩手医科大学中央臨床検査部臨床病理部門

ページ範囲:P.843 - P.849

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要旨 過形成ポリープ(hyperplastic polyp;HP)と鋸歯状腺腫(serrated adenoma;SA)に特徴的な鋸歯状腺管の形態学的特徴を解析した.鋸歯状腺管は,正常腺管の腺管開口部から表層部にかけての上皮細胞の形態変化,すなわち細胞更新の過程を模倣した病変であると考えられた.CEAやKi-67を用いた検討も細胞更新を模倣した病変の見解を支持するものであった.HPとSAの違いは細胞更新を模倣する細胞に分裂能力があるかないかであり,HPでは分裂像は病変の下部に限局し,鋸歯状腺管にはKi-67陽性細胞はほとんどみられない.SAでは分裂細胞は病変全体に分布し,Ki-67陽性細胞は鋸歯状腺管にも観察された.この診断基準で分類されたHPとSAのKi-67陽性率とargyrophilic nucleolar organiser regions(AgNOR)数には有意差が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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