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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻6号

1998年05月発行

文献概要

今月の主題 鋸歯状腺腫(serrated adenoma)とその周辺 主題

Ki-67染色態度からみたserrated adenomaの組織診断

著者: 石黒信吾1 真能正幸1 春日井務1 吉里勝彦1

所属機関: 1大阪府立成人病センター病理検査科

ページ範囲:P.851 - P.854

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要旨 serrated adenomaの性格を明らかにするために,61病巣のhyperplastic polypとserrated adenomaを組織学的に再検討し,Ki-67免疫染色で増殖能の検討を行った.serrated adenomaを組織学的に腺管内腔がserratedな様相を示し,種々の程度の細胞異型・核異型を伴い,表層へ向かっての分化傾向が少なく,腺管が分岐する傾向が強く,基底膜が凹凸不整を示すものと定義した.serrated adenomaの基本的なKi-67染色態度は,serratedな上皮の陥凹部に陽性細胞が認められ,陽性部は不連続であった.一方,hyperplastic polypは17例全例で腺管の腺底部から中層部まで連続性に陽性細胞がみられ,common type adenomaは腫瘍部全体にびまん性に認められた.以上の結果からserrated adenomaの診断は,上記のごとくの定義に基づいて診断するのが適当と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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