icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻6号

1998年05月発行

文献概要

今月の主題 鋸歯状腺腫(serrated adenoma)とその周辺 主題

serrated adenoma由来の癌の組織学的特徴と細胞分化について

著者: 八尾隆史1 上月俊夫1 梶原正章1 西山憲一1 恒吉正澄1

所属機関: 1九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.867 - P.872

文献購入ページに移動
要旨 鋸歯状腺腫(serrated adenoma;SA)または過形成性(化生性)ポリープ(hyperplastic or metaplastic polyp;H/MP)と同じ細胞系列上にあると考えられた癌(SA・H/MP由来の癌)の病理組織学的特徴と細胞分化を解析した.症例は70歳,女性.切除された右側結腸に6個の癌を認めたが,SAとH/MPも多発したことに加え癌の3病変にSAあるいはH/MP成分を伴うことからそれらはSA・H/MP由来であることが示唆された.更にこれらの癌は,①癌腺管のSA類似の鋸歯状構造,②特徴的なレース状の構造,③著明な浸潤性発育と先進部での脱分化,④免疫組織化学的にpS2およびhuman gastric mucinの発現,という共通する組織像と免疫組織化学的特徴を有し,それらの所見がSA・H/MP由来の癌の抽出に有用であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?