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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻6号

1998年05月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

側方発育を示したⅡc+Ⅱa型早期大腸癌の1例

著者: 藤澤貴史1 萩野晴彦1 坂下正典1 黒田信稔1 阪本哲一1 前田哲男1 中原貴子1 前田光雄1 友藤喜信2 西上隆之3

所属機関: 1石川島播磨重工業健康保険組合播磨病院内科 2加古川市民病院内科 3兵庫医科大学第2病理

ページ範囲:P.923 - P.928

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要旨 患者は63歳,男性で,大腸癌検診陽性のため大腸内視鏡検査を施行した.直腸S状結腸曲に偽足様所見を呈し,陥凹内に小結節を認めるⅡc+Ⅱa型腫瘍を認めた.推定深達度はmとしたが,表面陥凹型でX線検査上20mmであったことから高位前方切除術を施行した.実体顕微鏡ではⅢL+ⅢS+Ⅳ pitを呈し,辺縁隆起ではⅢL pitが認められた.病理組織学的には0-Ⅱc+Ⅱa,tub 1,sm1,ly0・v0,n0,15×10mmで,陥凹内小結節を含めた3か所でsm浸潤を認め,辺縁隆起部では癌が粘膜表層を這うようにかつ非全層性に拡がっていた.自験例は肉眼形態,辺縁隆起部のpitおよび組織学的所見から非顆粒型側方発育型腫瘍の範疇に入るⅡc+Ⅱa型早期大腸癌で,陥凹を有する非顆粒型LSTの病態を考えるうえで,また非顆粒型LSTのsm浸潤の初期像として貴重な症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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