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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻7号

1998年06月発行

文献概要

今月の主題 食道癌 主題

m3・sm1食道癌のX線診断

著者: 八巻悟郎1 大倉康男2 長浜隆司1 幸田隆彦1 松本悟1 大浦通久1 志賀俊明1 野本一夫1

所属機関: 1東京都がん検診センター消化器科 2東京都がん検診センター検査科

ページ範囲:P.949 - P.960

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要旨 外科切除されたm3の6例とsm1の2例について,精密X線像,術後像,そして,組織学的所見を対比しX線学的深達度診断を検討した.切除標本の検討から,①粘膜面の凹凸や厚みがみられその部で浸潤している例と,②病変のごく一部で粘膜面の凹凸や厚みを伴わずにpin pointに浸潤した例があり,各々4例ずつあった.1群4例のX線診断をみると,正診2例,m3をm2と診断したのが1例,sm1をsm3と診断したのが1例あった.これらの例では粘膜面の凹凸や厚みが主として辺縁像の不整として描出されたので,浸潤している部位は同定できたが,その判断に問題があった.一方,2群4例のX線診断をみると,その浸潤部位が同定できず全例浅く診断していた.以上から,この領域のX線学的深達度診断を確立するためには,今後とも詳細な組織像とX線像を対比した症例の蓄積が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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