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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻7号

1998年06月発行

文献概要

Discussion

「胃癌の診断にX線検査は不要か―私はこう考える」(33巻4号:657)に対して

著者: 板野聡1 西元寺克禮2

所属機関: 1寺田病院 2北里大学医学部内科

ページ範囲:P.1011 - P.1011

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 本誌33巻4号に掲載されました西元寺克禮先生の「胃癌の診断にX線検査は不要か-私はこう考える」に対し質問させていただきます.西元寺克禮先生は,最後のところで“内視鏡のみでは見落される可能性があるものにスキルス胃癌がある.”とされて,症例をご提示されています.スキルス胃癌の診断については,内視鏡検査には弱点があり(生検に頼りすぎるとよけいに),むしろX線診断(特に立位充満像が有用)のほうが内視鏡で診断されるより早く,的確に診断されることがあることはよく経験することで,そのとおりだと思います.“生検”で癌細胞が陰性であるからと言って,いたずらに経過観察とされ,治療(手術)の時期を失することさえ経験しています.この問題は,“生検の功罪”として話題となっていることですので,議論の余地はないと思います.今回主題の論文の中にもありましたが,内視鏡の氾濫,ひいては“生検神話”が肉眼診断のレベルダウンやX線検査,あるいはX線診断の弱体化を来した原因ではないかとも考えられます.

 そこで,以上のことを踏まえて,西元寺克禮先生が御提示された症例を見たとき,次の疑問がわいてきます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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