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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻7号

1998年06月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

回盲弁上の単発小潰瘍から典型像への自然経過を観察できた大腸結核の1例

著者: 伊藤文一1 岡村正造1 大橋信治1 三竹正弘1 浦野文博1 下平雅哉1 金森信一1 竹田欽一1 内藤岳人1 瀬川昂生1 前田松喜2

所属機関: 1豊橋市民病院消化器内科 2豊橋市民病院病理

ページ範囲:P.1043 - P.1049

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要旨 患者は38歳,男性.約2年前から下痢気味であったが鮮血便が出現し来院.大腸X線・内視鏡検査で回盲弁に約1cm大の不整陥凹を認め,生検で類上皮性肉芽腫を認めたが確定診断に至らず,経過観察となった.8か月後には主病変に変化はなかったが,回盲弁対側に新たに浅い陥凹性病変を認めた.1年10か月後には,回盲弁上の潰瘍は腸の横軸方向に進展し,白苔が明瞭化した.回盲弁対側の潰瘍も増大し,深さも増した.3年9か月後には,回盲弁上の潰瘍は不整地図状となり,対側の潰瘍と連なって輪状に狭窄していた.生検で再度肉芽腫を確認でき,腸結核と診断.6か月間の抗結核剤3剤併用療法により潰瘍は瘢痕化し,肉芽腫も消失した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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