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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻7号

1998年06月発行

早期胃癌研究会症例

悪性化した直腸深在性嚢胞性大腸炎の1例

著者: 喜安佳人1 古谷敬三2 前田智治2

所属機関: 1愛媛県立中央病院外科 2愛媛県立中央病院病理

ページ範囲:P.1055 - P.1059

文献概要

要旨 悪性化を示した深在性嚢胞性大腸炎症例を報告した.患者は36歳,男性で主訴は肛門からの腫瘤脱出.6年前に直腸ポリープの生検で粘膜層内の線維筋症から直腸粘膜脱の診断.4か月前から主訴があり当科を受診,直腸診で肛門から3cmの前壁に表面平滑弾性硬で,注腸造影でほぼ球形の,内視鏡では粘膜表面には異常のない,CTでは嚢腫状の腫瘤を認めた.1996年2月19日経肛門的腫瘤切除施行し,病理検査では粘膜上皮には異型性はなく線維筋症が認められ,粘膜下層内の嚢腫部分に高分化腺癌の所見が認められた.本例は直腸粘膜脱症候群が6年の経過で直腸深在性嚢胞性大腸炎の所見を呈しながら悪性化したまれな症例と思われ,非常に興味深い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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