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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻8号

1998年07月発行

今月の主題 胃炎―Sydney SystemとHelicobacter pylori

主題

病理からみたSydney Systemの利点と問題点

著者: 渡辺英伸1 味岡洋一1 西倉健1 橋立英樹1 前島威人1 鬼島宏2

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理 2東海大学医学部病態診断系病理学

ページ範囲:P.1087 - P.1097

文献概要

要旨 1983年のHelicobacter Pylori(Hp)発見を契機にして,胃炎を病因から分類しようとするSydney Systemが1990年に提唱された.6年間の応用後,1996年に改訂された.その基本姿勢は,HP,炎症(慢性炎症細胞浸潤),活性(好中球浸潤),萎縮,化生(腸上皮化生)の出現程度,更にそのほかの組織所見とそれらの胃内分布から,胃炎の病因を明らかにしようとするものである.このSystemの狙いは,胃炎の組織診断・組織分類の再現性と臨床的有用性であり,これを通じて胃炎の国際比較を可能にし,胃炎とそのほかの胃疾患との相関を明らかにしようとする点にある.本稿では,現在のこのSystemのどこに問題点があるのかを述べる.本Systemがいくつかの改良を通じて,胃炎の世界的共通用語になることを期待したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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