icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻8号

1998年07月発行

今月の主題 胃炎―Sydney SystemとHelicobacter pylori

主題

Helicobacter Pylori除菌前後における胃粘膜の内視鏡像の変化―短期経過例

著者: 井田和徳1 松本尚之1 内山和彦1 原瀬一郎1

所属機関: 1朝日大学歯学部附属村上記念病院内科

ページ範囲:P.1115 - P.1121

文献概要

要旨 従来,Helicobacter pylori(H. Pylori)感染胃粘膜に形態変化があるか否かは明らかにされていない。われわれは除菌による最も著明な変化は胃底腺粘膜のびまん性発赤と胃小区の浮腫様所見の消褪であることを観察してきた.そこで,今回は特に除菌後の胃底腺粘膜について発赤所見を中心に検討した.内視鏡的にみたびまん性発赤は除菌後3か月以内に計83.4%が消褪した.しかし,点状発赤の消失率は43.7%にすぎなかった.胃底腺粘膜の,びまん性発赤の程度と好中球浸潤の強さには有意な相関を認めた.また,客観的な発赤の指標としてHb indexを検討すると,H. Pylori陽性例の胃底腺粘膜においては高値を示し,除菌によって有意に低下した.これらの事実から,胃底腺粘膜のびまん性発赤はH. Pylori陽性の慢性活動性胃炎の極めて重要な指標であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら