今月の主題 胃炎―Sydney SystemとHelicobacter pylori
主題症例
Helicobacter Pylori除菌により著明な内視鏡像の改善を認めた鳥肌胃炎の1例
著者:
宮本真樹1
春間賢1
隅岡正昭2
渡辺千之2
山田博康2
永田信二2
今川勝2
西阪隆3
福原敏行3
服部信昭1
三原充弘1
鎌田智有1
梶山梧朗1
所属機関:
1広島大学医学部第1内科
2県立広島病院消化器内科
3県立広島病院研究検査科
ページ範囲:P.1137 - P.1141
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要旨 Helicobacter Pylori(H. pylori)の除菌により病理組織所見が改善することは周知の事実となっている.しかしながら,H. Pyloriの除菌が内視鏡所見を改善するか否かについては十分な検討が行われていない.今回,われわれは3年以上持続していた鳥肌胃炎がH. pylori除菌で改善した1例を経験したので報告する.患者は,32歳,女性.心窩部痛精査のため上部消化管内視鏡検査を施行し,前庭部に結節性過形成を呈する鳥肌胃炎(H. Pylori陽性)と診断した.3年前にも同様の内視鏡所見を認めていた.十分な説明と同意のうえ,H. Pylori除菌療法を施行し,短期間のうちに病理組織像とともに,自覚症状,内視鏡所見の著明な改善を認めた.