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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻8号

1998年07月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

X線,内視鏡所見と切除標本,病理組織学的所見を対比した未分化型早期胃癌の1例

著者: 中原慶太14 鶴田修1 立石秀夫1 渡辺雅秀1 佐田通夫1 豊永純2 武田仁良2 考富士喜久生3 林逸郎4 森松稔4

所属機関: 1久留米大学医学部第2内科 2久留米大学医学部消化器病センター 3久留米大学医学部外科 4久留米大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1159 - P.1165

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要旨 患者は30歳,男性.未分化型早期胃癌で,肉眼的に明瞭な陥凹の境界と組織学的な癌の浸潤範囲が小規模ながら一致しない例であった.そこで,画像および切除標本,病理組織所見の対比を行い,その微細所見を中心に総合的な病変構築を検討した.癌の組織学的な粘膜内浸潤形式をm-全層浸潤とm-非全層浸潤に分けると,切除標本上明瞭な陥凹部にほぼ一致してm-全層浸潤,陥凹辺縁の肛門側領域に中間層~表層を主体とするm-非全層浸潤が拡がっていた.m-非全層領域の画像および切除標本上の肉眼所見は,微細な凹凸変化を示し胃小区の粗大化様所見や不整網状陰影を呈していた.このような微細所見の検討は,癌の浸潤範囲の診断や微小癌の発見など画像形態診断を向上させるものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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