文献詳細
文献概要
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書評「消化器癌の診断と内科治療―1.食道・胃・大腸」
著者: 多田正大1
所属機関: 1京都がん協会
ページ範囲:P.1166 - P.1166
文献購入ページに移動 消化器癌の診断と治療は臨床医に課せられた重要な命題である.そのためには病変を忠実に表現する明快な画像を得る技術を修得すること,それを適正に読影する洞察力と経験がなければならない.本書が企画された経緯については,編者の1人である西元寺克禮教授の長い序文に述べられているが,最近軽視される傾向にある消化器癌の画像診断の基礎を再び世に広める目的で,北里大学内科グループの総力を傾注して完成したものである.“研究を重要視する大学病院では,消化器の画像を読影する基礎を伝授してもらえない……”,若い臨床医の嘆きの声を耳にすることが多いが,北里大学グループは伝統的に画像診断を重要視する,今どき珍しい教室である.
あえて紹介するまでもなかろうが,北里大学内科は27年前に岡部治弥教授によって興され,消化器内科として常に学会を活性化させてきた功績の大きいグループである.現在は二代目の西元寺教授に受け継がれているが,画像診断にかける真摯さは他に類をみない教室である.X線・内視鏡・病理所見を詳細に対比することから始まり,典型的な癌の画像所見のポイントを窮めた後,非典型的な病変の診断へ応用する手順を頑ななまでに一貫しており,その独特の診断学は国内外から注目されている.
あえて紹介するまでもなかろうが,北里大学内科は27年前に岡部治弥教授によって興され,消化器内科として常に学会を活性化させてきた功績の大きいグループである.現在は二代目の西元寺教授に受け継がれているが,画像診断にかける真摯さは他に類をみない教室である.X線・内視鏡・病理所見を詳細に対比することから始まり,典型的な癌の画像所見のポイントを窮めた後,非典型的な病変の診断へ応用する手順を頑ななまでに一貫しており,その独特の診断学は国内外から注目されている.
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