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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻8号

1998年07月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

びまん性にS状結腸狭窄を来した子宮放線菌症の1例

著者: 上遠野由紀1 宮田完志1 竹内英司1 小林陽一郎1 湯浅典博1 加藤万事1 服部龍夫1 平林紀男2

所属機関: 1名古屋第一赤十字病院外科 2名古屋第一赤十字病院病理

ページ範囲:P.1173 - P.1177

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要旨 患者は49歳,女性.子宮筋腫の診断で開腹したところ,S状結腸がびまん性に肥厚し,子宮と強固に癒着していたため外科転科となった.注腸でS状結腸に鋸歯状の全周性狭窄を認め,大腸内視鏡でも肛門縁から25cmに結節状の粘膜の変化を認めたが,生検では悪性所見はなかった.以上から,腸間膜脂肪織炎を疑い,低位前方切除術,単純子宮全摘術を施行した.摘出標本で子宮内部に子宮内避妊具(intrauterine device)を認めた.病理組織学的には,子宮筋層内にDruse(菌塊)の形成を認め,S状結腸には炎症性細胞浸潤が存在していた.以上から,子宮放線菌症がS状結腸に波及し,びまん性に狭窄を来したと診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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