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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻9号

1998年08月発行

文献概要

今月の主題 潰瘍性大腸炎―最近の話題 主題

潰瘍性大腸炎における虫垂開口部病変―prospective study

著者: 和田陽子1 真武弘明1 帆足俊男1 津田純郎1 櫻井俊弘1 松井敏幸1 八尾恒良1 岩下明徳2

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.1205 - P.1212

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要旨 1996年12月から1998年4月までの1年5か月の期間に全大腸内視鏡検査(total colonofiberscopy;TCF)が施行されprospectiveに内視鏡的,病理組織学的に検討された潰瘍性大腸炎は70例であった.70例から全大腸炎型,区域性病変を除外した直腸炎型23例,左側大腸炎型24例の計47例を対象とし以下の成績を得た.①非連続性の虫垂開口部病変の頻度は47例中16例(34.0%)であった.②虫垂開口部を含む非連続性病変のうち虫垂開口部に限局したものは16例中10例(62.5%)で他の6例(37.5%)は盲腸,上行結腸までの比較的広範囲な病変であった.③虫垂開口部病変を有する群と有さない群との年齢,罹病期間,病型,重症度には有意な差はなかった.④虫垂開口部病変と肛門側病変の内視鏡的重症度は有意な相関を示した.以上の成績と症例を呈示し考察として病期によって虫垂開口部病変は消退するため,その頻度は更に高率であること,非連続性の右側大腸炎は虫垂開口部にとどまらず比較的広範囲なものが少なくないことを述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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