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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻9号

1998年08月発行

文献概要

今月の主題 潰瘍性大腸炎―最近の話題 主題

潰瘍性大腸炎にみられる敷石様所見の臨床病理学的検討

著者: 勝又伴栄1 横山薫1 高橋裕之1 小林清典1 五十嵐正広1 西元寺克禮1 大谷剛正2 井原厚2 三富弘之3

所属機関: 1北里大学東病院消化器内科 2北里大学東病院消化器外科 3北里大学東病院病理

ページ範囲:P.1243 - P.1253

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要旨 潰瘍性大腸炎の経過中に,頻度は低いが画像上敷石様所見を呈することがある.対象は1992年から6年間に入院治療を行った潰瘍性大腸炎123例中の14例(11.4%)である.左側大腸炎型5例,全大腸炎型9例であり,5例は初発時に,また9例は再燃増悪時に敷石様所見が認められ,重症例や難治例が多かった.内視鏡的に敷石様所見が認められた部位は,左側大腸が12例(86%)と高頻度であった.炎症性ポリープの特徴は小型(5mm未満)で密度が高く,表面は発赤と細顆粒状を呈した.介在する潰瘍の型はすべて不整形で4例に縦走潰瘍が混在して認められた.外科手術は9例に行われ,7例の切除標本上敷石様所見がみられた.組織学的に下掘れ傾向のあるUl-Ⅱ以上の深い潰瘍が多く,炎症性ポリープの高さは最高6.0mmまでであった.炎症性ポリープの形成機序と敷石様所見の考え方やCrohn病の敷石像との鑑別などについて述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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