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文献詳細

雑誌文献

胃と腸33巻9号

1998年08月発行

症例

過形成性ポリープから発生したと考えられた最大径8mmの大腸mp癌の1例

著者: 小沢俊文1 奥山裕子1 奥村浩二1 土屋豊一1 丹治伸夫1 安斎幸夫1 高橋保博2 佐藤祐治2 遠藤剛2 柴田昇2 海上雅光3

所属機関: 1わたり病院消化器科 2わたり病院外科 3わたり病院病理科

ページ範囲:P.1301 - P.1307

文献概要

要旨 患者は50歳,女性.EMR後のサーベイランス目的に大腸内視鏡検査を受け,脾彎曲部に腫瘍を指摘された.注腸X線検査では深い陥凹を伴う隆起性病変で,軽度の弧状変形を認めた.内視鏡検査ではⅡa+Ⅱc型で片側に低いⅡa部が舌状に伸びていた.EUSでは第3層の断裂と第4層の肥厚を認めた.横行結腸切除術を施行し,腫瘍は8×5mm大の2型進行癌で深達度mp2であった.癌周囲の低い隆起部は過形成性ポリープの像を示し,癌に近い部で異型を,更に腺管が粘膜下層に入り込んだ像や筋板を圧排する部分を認めた.同部の免疫組織染色ではp53は陰性,Ki-67は腺底部にのみ陽性であり過形成性ポリープからの癌化例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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