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今月の主題 Ⅱ型早期大腸癌肉眼分類の問題点 主題
早期大腸癌肉眼分類―私の診断基準
著者: 小林広幸1 渕上忠彦1
所属機関: 1松山赤十字病院消化器科
ページ範囲:P.19 - P.19
文献購入ページに移動 われわれは早期大腸癌の肉眼分類は臨床所見を重視しX線像・内視鏡像から判断しているが,中心陥凹と辺縁隆起を有する小さな表面型ではルーペ像も加味して分類している.また,病変の大きさは,切除後の固定標本で計測し,陥凹を伴う病変で周辺隆起が認められるものは腫瘍成分がなくても周辺隆起部も含めた大きさを測定している.
以下,Fig.1に示すように,隆起型は,明瞭な茎を有するものはⅠp,基部が隆起最大径より小さいものはⅠsp,隆起最大径と同等のものはⅠsとしている.ⅠsとⅡaの判別は病理学的扁平率(手術例における切除標本の腫瘍の最大高/最大径×100%)を基準として20%を超えるものをⅠsとしている.その理由は,この病理学的扁平率は注腸検査によるX線学的扁平率(X線側面像最大高/X線正面像最大径×100%)とも極めてよく相関し,この病理学的およびX線学的定義を用いたⅠsとⅡaの早期大腸癌の比較から両者には臨床病理学的な相違がみられたことから,臨床的にも利用可能な指標であるからである.
以下,Fig.1に示すように,隆起型は,明瞭な茎を有するものはⅠp,基部が隆起最大径より小さいものはⅠsp,隆起最大径と同等のものはⅠsとしている.ⅠsとⅡaの判別は病理学的扁平率(手術例における切除標本の腫瘍の最大高/最大径×100%)を基準として20%を超えるものをⅠsとしている.その理由は,この病理学的扁平率は注腸検査によるX線学的扁平率(X線側面像最大高/X線正面像最大径×100%)とも極めてよく相関し,この病理学的およびX線学的定義を用いたⅠsとⅡaの早期大腸癌の比較から両者には臨床病理学的な相違がみられたことから,臨床的にも利用可能な指標であるからである.
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