icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻1号

1999年01月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

Billroth Ⅱ法残胃吻合部小彎のⅡc型早期癌の1例

著者: 細川治1 海崎泰治2 津田昇志1 渡辺国重1 白崎信二1 道伝研司1 林裕之1 栗山とよ子1 小西二三男3 西田泰之4

所属機関: 1福井県立病院外科 2自治医科大学病理 3福井赤十字病院病理 4福井県立病院内科

ページ範囲:P.79 - P.83

文献購入ページに移動
要旨 患者は64歳,男性.35年前に胃潰瘍のために胃切除術を受け,結腸後のBillroth Ⅱ法によって再建されている.下血を主訴に当院を受診した.出血の原因はMalloryWeiss症候群によるものであったが,残胃吻合部小彎にⅡc型早期癌を見出した.X線像ではひだ集中が,内視鏡的には褪色調が目立つ病変であった.残胃吻合部切除を行った摘出標本では,大きさは2.0×1.2cm,組織学型はtub2で,深達度はmであった.このほかに0.1cmの微小癌を有していた.肉眼的には明らかでなかったが,吻合部の胃側粘膜には全長にわたって,胃小窩の延長,偽幽門腺の増殖と囊胞化,固有腺の萎縮,腺の粘膜下侵入といった吻合部ポリープ状肥厚性胃炎の組織像が確認された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?