文献詳細
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書評「イラスト外科セミナー―手術のポイントと記録の書き方 第2版」 フリーアクセス
著者: 平田公一1
所属機関: 1札幌医科大学・外科学第1講座
ページ範囲:P.84 - P.84
文献概要
自らが手術野で展開させようとする芸術をいかに発展・進歩させるかについて教わるには,何と言っても術者あるいは第一助手となって手術に参加し,執刀することが重要であるが,それと同様の比重をもって手術の技術と考え方の“コツ”と“ポイント”を,熟達・完成した外科医ならではのイラストとむだのない短い必要最小限の語句による解説から教わることができるのである.外科医から外科医へと厳しく語るがごとく,そして一方では内容的には優しく指導表現されていると思う.厳しい指導者のあのしっかりとした肉声が耳に入ってくるようである.表紙から最後の頁までのすべてを,教育上の哲学ともいうべきお考えによって浸しており,それを若い人たちに分与したいという気持ちで満たしている.加えて,めったに耳にすることのできない名医の本音も聞こえてくる.将来ある若い外科医にむだを熟知させつつもむだなく時間を過ごしてほしい,勉強してほしいという大きな期待をかけているがゆえと拝察するところである.
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