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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻10号

1999年09月発行

今月の主題 Crohn病の長期経過―10年以上の症例を中心に

主題

Crohn病の長期経過―X線所見からみた予後予測

著者: 前川浩樹1 樋渡信夫1 織内竜生1 渡邊浩光1 桂島良子1 高橋成一1 相原裕之1 高木承1 熊谷進司1 岩渕正広1 根来健一1 大楽紀子1 尾花伸哉1 木内喜孝1 下瀬川徹1 豊田隆謙1

所属機関: 1東北大学医学部第3内科

ページ範囲:P.1211 - P.1226

文献概要

要旨 初診時非切除のCrohn病74例のX線所見を経時的に分析し,予後予測,特に合併症出現予測について検討した.X線所見の重症度を,敷石像,縦走潰瘍,その他の潰瘍を3段階,アフタを2段階に分類し,さらにそれらの病変の罹患範囲を求め,両者を掛け合わせて活動度とした.①初診時アフタのみから成る症例の半数以上が典型例へと進展した.初診時のアフタの部位や密度から進展するかどうかを予測することは困難であった.②瘻孔や狭窄が形成される部位には初診時に何らかの所見を認め,これらの合併症を確認する直前の検査では多くは敷石像を呈していた.③合併症の出現は,大腸敷石像で活動度が高い病変や,盲腸・上行結腸で起こりやすかった.また,大腸敷石像と小腸縦走潰瘍において,重症度3点で合併症を来しやすい傾向を認めた.④初診時の大腸敷石像は,3年以内の再燃時に不変・改善を示せば,合併症を来す確率は有意に低くなった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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