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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻10号

1999年09月発行

文献概要

今月の主題 Crohn病の長期経過―10年以上の症例を中心に 主題

Crohn病の胃・十二指腸病変の長期経過―内視鏡所見の定量化による評価

著者: 畠山定宗1 八尾恒良1 松井敏幸1 櫻井俊弘1 古川尚志1 宇野博之1 竹中国昭1 植木光彦1 真武弘明1 平井郁仁1 松村雅人1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科

ページ範囲:P.1239 - P.1248

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要旨 Crohn病の胃,十二指腸病変の内視鏡像を潰瘍性病変,隆起性病変のそれぞれにスコア化して検討した.初回検査のスコアは病型,活動指数,および炎症所見と相関はなく,胃,十二指腸病変は腸病変の緩解増悪とは無関係にみられた.Crohn病286例の経過中6例に幽門狭窄を合併した.累積幽門狭窄合併率は,発症後10年で2.7%,診断後10年で3.1%で,狭窄は比較的急速に敷石像へと進展し発現した.幽門狭窄6例と上部消化管内視鏡検査の観察期間が10年以上の非狭窄28例の初回内視鏡像の比較では,狭窄例の隆起スコアが有意に高値であった.すなわち隆起性病変の高度なものが幽門狭窄へ進展しやすいことが示唆された.非狭窄例の初回内視鏡検査の潰瘍スコアは最終検査より高値であった.びらんや潰瘍などの病変は進行性ではなく,またCrohn病の病態に関与した病変と,通常の潰瘍,びらんと同じ機序のものが混在していることが推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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