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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻10号

1999年09月発行

文献概要

今月の主題 Crohn病の長期経過―10年以上の症例を中心に 主題

Crohn病の直腸肛門病変の長期経過

著者: 杉田昭1 小金井一隆1 山崎安信1 原田博文1 福島恒男2 嶋田絋2

所属機関: 1横浜市立大学医学部病院第2外科 2横浜市民病院外科

ページ範囲:P.1249 - P.1254

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要旨 Crohn病に合併した直腸肛門病変にはCrohn病固有のprimary lesion(cavitating ulcer,anal fissureなど)と,これが原因となって生ずるsecondary lesion(痔瘻,直腸,肛門腟瘻など),そのほかに直接Crohn病と関係のないincidental lesionがある.わが国では痔瘻の合併頻度が高く,これらの病変は長期経過中には外科治療を受けることが多い.incidental lesionとしての痔瘻は通常の治療で長期予後は良好である.Crohn病に合併した直腸,肛門のprimary lesionやsecondary lesionは腸管病変と同じように経過中に再燃,再発を繰り返すことがある.難治性痔瘻例はprimary lesionを持つ症例や多発性痔瘻症例であった.根治的治療法が確立されていない現在,難治例に対しては再燃,再発の可能性を考慮し,QOLを重視した低侵襲の外科的治療法を行うことが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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