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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻10号

1999年09月発行

今月の主題 Crohn病の長期経過―10年以上の症例を中心に

主題研究

アフタ様病変のみで診断されたCrohn病の長期経過

著者: 松本主之12 飯田三雄3 中村昌太郎2 蔵原晃一2 江﨑幹宏2 藤島正敏2

所属機関: 1九州大学光学医療診療部 2九州大学医学部第2内科 3川崎医科大学消化器内科Ⅱ

ページ範囲:P.1267 - P.1276

文献概要

要旨 アフタ様病変のみで初回診断されたCrohn病のうち,臨床経過が10年以上追跡可能であった5例のX線・内視鏡所見を検討した.3例では,初回診断から39か月以内に回腸ないし大腸にCrohn病の典型像が確認されたが,他の2例ではアフタの出没をみるのみで経過した.典型像出現例のうち2例は短期間の栄養療法で改善し,栄養療法ないし無治療で緩解を維持しているが,1例では狭窄のため手術に至った.十二指腸病変の長期経過が追跡可能であった3例では,アフタ様病変の出没を繰り返していた.以上より,アフタ様病変のみから成るCrohn病の臨床経過は多彩であるが,短期間で小腸ないし大腸に典型像の出現をみるものと長期にわたってアフタ様病変にとどまるものに大別される可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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