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文献詳細

雑誌文献

胃と腸34巻11号

1999年10月発行

文献概要

今月の主題 胃MALTリンパ腫―Helicobacter pylori除菌後の経過 主題

胃MALTリンパ腫のHelicobacter pylori除菌後の経過と治療方針―私はこう考える

著者: 大津敦1 目良清美1 松本繁巳1 武藤学1 長島文夫1 佐野寧1 朴成和1 吉田茂昭1

所属機関: 1国立がんセンター東病院消化器内科

ページ範囲:P.1413 - P.1415

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 Helicobacter pylori除菌療法後の問題点

 1993年,WotherspoonらがHelicobacter pylori(H. pylori)除菌療法による胃low-grade MALTリンパ腫での消退が得られたと報告したのに端を発し,多数の除菌療法の有用性が報告されている.現在,除菌療法が胃原発low-grade MALTリンパ腫に有力な治療手段として認識されるに至っており,侵襲も少なく,かつ短期間で済むことから,世界的に除菌療法が胃low-grade MALTリンパ腫に対する一次治療として普及しつつある.しかし,除菌不成功例の問題や除菌後のH. pylori再感染によるMALTリンパ腫の再燃の報告,除菌後の増悪,high-gradeへの転化例の報告もあり,除菌療法は現時点において,いまだ確立された標準的治療とは言い難い.特に,除菌後の経過観察の間隔,どの時点で二次治療に移るか,二次治療の内容などについては一定の見解を得ておらず,手探りの状態で行われているのが現状と考えられる.本稿では自験例も踏まえてわれわれの方針を示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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